ダウ平均株価(NYダウ)・S&P500〔初心者のための投資用語解説〕
ダウ平均株価、S&P500とは？
アメリカの株式市場の動向を示す、最も代表的な指標（ものさし）です。
どちらも市場分析や経済指標として扱われますが、構成銘柄数と算出方法が大きく異なります。
さらに、アメリカ経済だけでなく、世界の株式市場と経済全体の景気感を測るために使われる指標です。
ダウ平均株価（NYダウ）
サクッと表現すると、米国を代表する超優良企業30社の指標です。
- 指標として最古の歴史
1896年5月26日から今日まで約130年間にわたり、公表が途絶えていない最古の指標。
昔から「アメリカ経済の体温計」として象徴的にニュースで取り上げられています。 - 常に米国経済の代表となる30銘柄から算出
市場環境の変化や企業の合併・買収など、必要が生じたときに銘柄の入れ替えが行われます。
選定基準は、「時代の顔となった」と考えられる企業（例：コカ・コーラやNIKEなど）です。 - 算出方法：株価平均型
一言で言うと30銘柄の株価の平均値なのですが、一般的な平均計算と異なる方法が採用されています。
単純な平均計算では、企業が入れ替わると平均値が大きく変わってしまうため、指標として使えるように除数（じょすう）という特別な数値で調整されています。（日経平均と同じ方法です）
ダウ平均が1896年に算出開始されて以来、現在も残っている銘柄は一つもありません。
時代の変化に応じて、常に「最新の経済の顔ぶれ」を見せている指標と言えます。
S&P500（スタンダード・アンド・プアーズ500種指数）
S&P500は、米国市場全体の動向を最も正確に表すことを目的に、選定に厳しい基準を設けています。
サクッと表現すると、米国市場全体の実態を反映する最も広範な指標です。
- 市場全体を公平に測り厳格に選定
「事業規模・所在地・収益性・流動性」の4つの定量的基準をクリアし、さらに市場全体の業種のバランスも加味されて選定されます。
さらに、年4回（四半期ごと）に見直しが入るほど厳格です。 - 500銘柄は目安
500という選定数よりも、定量的基準の方が優先されます。
あくまで、米国の主要な大型株500社程度の動向を反映するという考え方です。 - 算出方法：時価総額加重平均型
基準日時点（1941年〜1943年の平均）の時価総額を基点として、現在の時価総額がどれだけ増減したかを示しています。 - 注意点
全体の動きの指標ではあるのですが、実際には時価総額上位企業（大型株）の動向に指標自体が大きく左右されます。
理由は、時価総額が上位10位程度の巨大企業だけで、指数全体の25%〜30%以上のウェイト（比率）を占めてしまうためです。
現在、投資家が「インデックス型で米国株に投資する」と言ったら、ほとんどの場合、このS&P500に連動する商品を選ぶことになります。
▼時価総額の説明はこちら
重要度：★★★★★
経済や投資に関する情報を理解するためには、この2つの指数を常に気にかける必要があります。
金融の世界では最上級ランクでの重要ワードです。
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