みんなの年金コラム

なんとなく始めた人必見!NISAの基本から「これで良かった?」見直しポイントまで教えます

なんとなく始めちゃったNISA「これでよかった?」基本から見直しポイントまで教えます

今年もあっという間に過ぎていきましたね。
食品を中心とした物の値上がりに翻弄された一年だった方も多いのではないでしょうか。

そんなインフレの今、この年末年始は「未来のお金」についても考えてみませんか?

今回のコラムでは、なんとなく始めたという人が多い「NISA」について。

これから始める方も、既にNISAを始めてる方にも役立つ、NISAの基本的な内容から‟今からでも見直せるポイント”について解説します。

ポイ活よりNISA!?「始めない」方が損かもしれない理由

なんと、まだ始めていない方が50%以上という「NISA」。
「貯金だけじゃ不安だけど、投資って怖い…」そう思っている方こそ、今すぐNISAを検討してほしい理由があります。

現在進行形のインフレが、お金の価値を溶かしている!

インフレとは? 物の値段が上がり、相対的にお金の価値が下がること。

  • 現状
    貯金は増えないのに、物価は上昇。
  • 対策:
    資産運用をすれば、物価上昇に合わせてお金を増やす「インフレ対策」になります。

円安の今、海外資産にチャンス

円の価値が下がる円安は、輸入には不利ですが、投資には追い風になる可能性があります。

  • メリット
    NISAで成長性の高い海外資産に投資していれば、円安になるほど円に換算したときの資産価値がアップします。
  • 戦略
    自分のお金の一部を他の通貨資産に変えておくだけで、リスク分散に。
    日本円が暴落した時に、海外のお金の価値が高い場合、その恩恵に与れます。

日々の節約やポイ活も大切ですが、中長期の未来のお金について考えた時、今まさに「お金の価値が下がり続けている」という現実をスルーしてしまうと、将来困った事態になりかねません。

参考:新NISAの利用状況に関する調査 | 株式会社 ロイヤリティ マーケティング

NISAとは?基本をやさしく説明

2014年に始まったNISAは、2024年に新NISAとして制度が一新されました。
旧制度では投資期間や金額に制限がありましたが、新NISAでは無期限となり、非課税枠も大幅に拡大。
長く・大きく育てる資産形成にぴったりな制度となっています。

しかも最近、2026年以降に「子どもNISA」が創設検討中であると公表されました。
教育資金の積み立てやお金の実践教育として、来年は「NISA」がアツい年になる予感です。
今のうちに、しっかり「NISA」の基本を押さえておきましょう。

新NISAの特徴
非課税保有期間無期限
制度(口座開設期間)恒久化(ずっと続く制度になりました)
年間投資枠最大360万円(つみたて:120万/成長投資:240万)
非課税保有限度額(総枠)最大1,800万円(うち成長投資枠1,200万円まで)
投資対象長期投資に適した投資信託や上場株式など
対象年齢18歳以上

参考:子どもNISA「つみたて投資枠」600万円上限 年齢制限撤廃で最終調整 来年度税制改正で政府与党 – Yahoo!ニュース

つみたて投資枠」と「成長投資枠」の違い

新NISAは主に「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つから成り立っています。
これを例えるなら、NISAの口座の中に2つの財布が存在する。というイメージです。

つみたて投資枠

かんたんに言うと「自動で安心・おまかせ積立お財布」
金融庁が選んだ信頼性の高い投資信託の中から、ファンドを選びます。
商品と毎月積立てる金額を選んだら、毎月決まった日に勝手に積み立てられていきます。
投資知識のない方や、ほったらかし投資したい方に最適。

成長投資枠

かんたんに言うと「自分で選ぶ・自由に売買お財布」
自分でタイミングを見計らって、色々な株式や投資信託を自由に買える。
投資に少し慣れてきて、自分で銘柄を選びたい人や、まとまったお金を一気に投資したい人向け。
投資初心者のあいだは「このお財布は使いません!」と割り切ってしまってもOK。

NISAの口座を開設すると、自動的にこの「2つのお財布」が付いてきます。
この2つを併用しながら、自分のリスク許容度やライフプランに合わせて運用できるのが新NISAの大きな特徴です。

が、投資初心者がまず始めるべきは、低リスク・ほったらかし投資の「つみたて投資枠」です。
慣れてきたら、お小遣いを増やす感覚で「成長投資枠」を併用する、というのがおすすめです。

参考:NISAを知る:NISA特設ウェブサイト:金融庁

非課税ってどういうこと?

基本的に、投資で得た利益にも課税されるのですが、NISA口座で運用した金融商品から得られる利益からは税金が引かれません。

逆に、NISAなどの優遇制度を使わない場合、ほとんどの金融商品で利益の約2割が税金として引かれます。
引かれるタイミングは、株式や投資信託の売却時や配当金を受け取る時です。
実は投資に限らず、預貯金の利子も引き出し時に天引きされています。

そう考えると、NISAはかなり優遇されていますね。

ポイ活と併用できる!NISAの口座開設は、ネット証券が「強い」

NISA口座は、銀行や証券会社で開設可能です。その中でも特に「ネット証券」が人気です。
理由は、

  • 「つみたて投資枠」で選べる投資信託の種類が銀行よりも圧倒的に多い
  • 「成長投資枠」で日本株や米国株に投資したい場合、銀行での取り扱いがないことも
  • ネット証券は、取引手数料や投資信託の信託報酬(運用コスト)が安い

と、‟NISA口座を作るならネット証券一択”と言いたいくらいです。

NISA口座開設に際し、クレカ積立ができたり、貯めたポイントをお金の代わりに投資できたり、各社さまざまなサービスを展開しています。

NISA口座は一人一口座しか作れませんので、「普段の生活で使っているポイントやサービス」との相性で決めるのが、最もシンプルで長く続けられるコツです。

ネット証券会社の一部をご紹介
SBI証券投資信託の品揃えが非常に豊富な最大手。
三井住友系カードからのVポイントの連携に強み。PayPayポイント、dアカウントなどの各種ポイントも一部使えます。
楽天証券口座数はSBIに並ぶ人気証券会社。楽天経済圏の方はこちらが「最強」かも。
三菱UFJ eスマート証券 (旧 auカブコム証券)auユーザーでPontaポイントを貯めているなら、こちらが「強い」。
PayPay証券PayPayポイントで投資可能。PayPayアプリ内の「PayPay資産運用」からNISAを始められる手軽さが魅力。
マネックス証券 (ドコモのNISA)積立額に応じてdポイントが還元されます。dポイントを投資に使うことも可能です。

商品(ファンド)はどうやって決めたらいい?

投資初心者はまさに「どのファンドに投資すればいいのかわからない」と思います。
そんな方は、まずはテッパンともいえる超・王道の商品から投資するのが良いでしょう。

S&P500、もしくは全世界株(オルカン)+その他の選択肢

新NISAで選べる投資信託の中には、初心者からプロまで支持されている「王道ファンド」がいくつかあります。

まずは、誰もが一度は検討すべき2大・王道ファンド
  • S&P500連動型ファンド
    アメリカの代表的企業500社に投資。米国の経済成長に乗っかることができる
  • 全世界株式、オール・カントリー(略してオルカン)
    日本・米国・新興国含む世界中の株式へ幅広く分散投資

なんとなくNISAを始めた方でも、どちらかに投資されている方は多いのではないでしょうか。
もし、 これからNISAを始める方は、このどちらかを選んで「長期で積み立てる」だけでも十分です。

知識を深めたい方は、以下のようなファンドも検討しよう
種類特徴
先進国株式インデックス(eMAXIS Slim等)オルカンから新興国を除いたもの。米・欧・日本中心。
全米株式(VTI型)アメリカ全体にまるごと投資できる。中小型株も含む。
バランス型(8資産均等型など)株式・債券・REIT(不動産投資信託)を広く分散。安定志向の人向け。
新興国株式インデックス高リスク・高リターン。長期で育てたい人に。
REIT特化型(不動産投資信託)実物資産への投資でインフレ耐性&配当収入を狙う。

自分の投資目的や性格に合ったファンドを見つけて、ポートフォリオを構築していくのも、新NISA活用の醍醐味です。

要注意!S&P500とオルカンの2つに投資しても、リスク分散にはなりにくい

実は「オルカン」の構成は、オール・カントリーという名前にも関わらず約60%〜65%はアメリカ株で、S&P500と銘柄がかなり重複しています。

もし分散投資として考えるなら、この「2つだけを持つ」というのはあまり意味がないかもしれません。

分散投資以外の観点で「ポートフォリオの米国比率を意図的に高くしたい」なら、むしろアリでしょう。

ファンド運営会社の「信託報酬」にも注目

例えば、同じ「オルカン」の商品でも、ファンドを運営している会社によって、信託報酬(運用中に毎日かかるコスト)が異なります。

長期投資ではこのコストが最終的な利益を大きく左右するため、内容が同じようなファンドが複数ある時は、この「信託報酬」が何%なのか着目してみましょう。

【年収別】月々の積立額の目安は「手取りの5〜10%」

投資初心者の方によくある悩みが「毎月どれくらい積み立てればいいのか?」というもの。

おすすめの考え方は、手取り年収に対して「5〜10%」を目安に積み立てるという方法です。
これは家計の無理のない範囲で資産形成を続けるための、ひとつのバランスラインです。

年収(手取り)月々の積立額の目安(5〜10%)
300万円約12,500円〜25,000円
400万円約16,500円〜33,000円
500万円約20,000円〜41,500円
600万円約25,000円〜50,000円

無理して高い金額から始める必要はありません。

続けられる金額を設定し、「まずは習慣化する」ことが最も重要です。
まずはこの目安で始めてみて、慣れたら『月10万円(つみたて枠上限)』を目指すのもアリです。

家族構成や、環境は人それぞれなので、あくまで「こういう基準となる考え方がある」という程度に参照ください。

【世代別】投資の「攻/守」の比重を、年齢で変える

積立投資は「時間を味方につける」ことが最大の強み。
20〜30代で投資を始めれば、数十年かけて複利効果を使って資産を育てることができます。

40代以降の「リスクとの向き合い方」

一方、40代・50代になると積立できる期間が短くなるため、リスクとの向き合い方がより重要です。

そこで、リスク許容度の参考になる考え方として、よく使われる「エイジスライド方式」をご紹介します。

「エイジスライド方式」は、年齢が高くなるにつれて、リスク許容度が下がるという考えに基づき、リスク資産の割合を徐々に減らしていくという資産配分の目安となる考え方です。

全資産(例えば、あなたが持っている現預金と投資用の資金の合計)を100%としたとき、そのうちの何%をリスクのある投資(株式、投資信託など)に回すか、というガイドラインとして使えます。

【計算式】 120 − 年齢 = 投資割合(%)

つまり、以下のように年代ごとの目安が出せます。

年代投資割合(目安)
20代100%
30代90%
40代80%
50代70%
60代60%
70代50%

これはあくまで目安です。
同じ40代でも独身・共働き・子育て中などでリスク許容度は変わります。

定年が60歳だと、40代はリスク高めの商品比率を高く持ちつつ、50代から守りの安全資産(現金、預貯金、国債、低リスクの債券など)に切り替えるなど、ポートフォリオ構成はしっかり考えたいところ。

「どれくらい増やしたいか」「いつまでに使うお金か」といった目的に応じて、リスクと投資割合を調整しましょう。

まだ先のことだけど…。売却のタイミング、どう考える?

とりあえず知っておきたい「いつ売るか」。判断ってどうするの?
実はこれも、基本はシンプルです。

  • 旧NISAをお持ちの方の場合、売却は非課税期間の終了前に検討
  • 新NISAでは、成長投資枠からの売却を優先
  • 市場が下がっても、慌てて売らない。暴落時も、辛抱強く続けることで回復を待つ

なんとなくのNISAから、手堅いNISAへ

NISAは、みんなが「始めたほうがいい」というから始めたという方が多いのではないでしょうか。

たしかに、お金の価値が下がり続けている状況においては、むしろ「よくわからないから何もしない」ことのほうが、将来にとってリスクになる可能性があります。

でも大事なお金を投資し続ける以上、「手堅い方法」や「考え方の基準」が欲しいもの。
今回のコラムは、なんとなく運用していたNISAの「棚卸し」に必要なポイントが詰まっています。

社会の大きな流れの中で、今が「未来の資産」の分岐点となるかもしれません。
未来の自分が「やっておいてよかった」と思えるように。
そんなお金との付き合い方を、来年から始めてみませんか?

もしNISAに慣れてきたら、不動産クラウドファンディング『みんなの年金』も是非、ご検討ください。

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